年金制度のなかには、被保険者が亡くなった際に支給される遺族年金があります。遺族年金には「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「遺族共済年金」などの種類があり、遺族年金を受給する以上は、それぞれの特徴を捉えておきましょう。
遺族基礎年金
国民年金に加入する被保険者が亡くなった場合、「遺族基礎年金」が支給されます。遺族基礎年金は以下のいずれかの要件に該当する場合に支給されます。
- 被保険者が亡くなったとき
- 被保険者であった方で、日本国内に住所を有し、且つ60歳以上65歳未満の方が亡くなったとき
- 老齢基礎年金の受給権者が亡くなったとき
- 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている方が亡くなったとき
なお、1、2については保険料給付要件が必要とされています。保険料給付要件とは「死亡日の前日において、死亡日の月の前々月までの被保険者期間のうち2/3以上が、保険料給付済期間・保険料免除期間であること」という要件です。つまり、1/3以上の滞納があった場合、この要件を満たしていないこととなります。
ちなみに、遺族基礎年金は長らく「経済的に厳しい母子家庭に支給されるもの」という認識がありましたが、近年ではその姿勢が見直され、2014年4月1日以降は「父子家庭」にも支給されるようになりました。
遺族厚生年金
厚生年金加入者(サラリーマンなど)が死亡した場合は、「遺族厚生年金」を受給することができます。遺族厚生年金の受給要件としては以下の通りです。
短期要件
- 厚生年金加入者が在職中に亡くなった場合
- 厚生年金加入者が被保険者としての資格喪失後、被保険者であった間に初診日がある疾病により、その初診日から起算して5年を経過する日前に死亡した場合
- 障害等級1級、または2級の障害厚生年金の受給権者が死亡した場合
長期要件
- 老齢厚生年金の受給権者又は受給資格期間を満たしている方が死亡した場合
上記のように、遺族厚生年金の支給要件は「短期要件」と「長期要件」の二つに分けることができます。どちらの要件に当てはまるかによって支給される年金額が大きく変わります。なお、遺族厚生年金も遺族基礎年金と同様に、一定の保険料納付済期間が必要となりますので予めご注意ください。
遺族共済年金
共済年金とはご存じの通り公務員の年金制度です。法改正により平成27年10月から「厚生年金」に統一されることとなりました。遺族共済年金は、組合員の方や退職共済年金等を受けている方などが、以下の要件に該当する際、遺族の方に支給がされます。
- 組合員の方が死亡した場合
- 組合員であった間に初診日がある疾病により、退職後にその初診日から5年以内に死亡した場合
- 傷害共済年金1級、2級受給権者又は障害年金1級〜3級の受給権者が死亡した場合
- 組合員期間等が25年以上の方又は退職共済年金等の受給権者の方が死亡した場合
なお、上記の1〜3については短期要件、4については長期要件となっております。もし短期要件と長期要件の両方に該当する場合、遺族の方の申し出がなければ「短期要件」となります。
簡単にですが、遺族年金についてご紹介しました。まだまだ細かい規定が多くございますので、遺族年金受給をお考えなら専門家へご相談ください。
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